ユーフォニアム上達 Tips

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ソヴリン/プレスティージュ違い

今年はユーフォ誕生180周年! その現在のユーフォニアムの型を作った名門ベッソン

今回、2機種のプロラインの違いを具体的に解説しました。是非ご購入の参考にどうぞ。

1. リードパイプについて

外観上、最も大きな違いはリードパイプの角度です。

左 / ソヴリン|右 / プレスティージュ

この2機種、角度の他、リードパイプの形状も大きく異なります。

  • ソヴリンは90年代にアップデートされた967の大きなカーブ形状を踏襲。
  • プレスティージュは上写真にあるように角度を変更とともに、なだらかなカーブ。

左のソヴリンの角度が立っているのに対し、右のプレスティージュはテーブルに対し平行に近い角度です。

 

2つのモデルで吹きやすい方があれば、マウスピースからの圧力が自然に良いバランスでかかっている状態です。

多くの人はマウスピースが唇に触れる際、左右均等な圧力ではありません。

また構えた際、右半身の懐にゆとりが多いのがプレスティージュ、

ソヴリンはより身体にフィット(密着)しやすい形状です。

 

2. 補強版について

次に目立つ特徴の違いは2番管(U字管の先)の補強版の形状。

補強版 prestige

プレスティージュは伝統的な2層タイプ。青線が示す、幅広のプロテクターにより管体のガードに加え、かなりの重み(質量)が増します。

補強版 sovereign

現行のソヴリンは黄線のように約5mm幅の1本のシンプルなプロテクターとなっています。

ケースの性能向上、取扱い方も丁寧になっているので凹み防止としての機能は十分で、

軽量化を実現すると同時に、より伸びやかな響き(遠達性)が特徴です。

 

その他、細かい仕様の違いはバルブ周りのトップボタン(指の触れる所)/ケーシングキャップ(ピストンの上の蓋)の形状。

プレスティージュはケーシングキャップがミディアムとヘビーの2種類ですが、

ソヴリンでは、ヘビーのみ。

トップボタンも2機種で色だけでなく、形状も異なります。

表現について

最も気になる聴いた時の違いについて。音量と音域の要素で比較してみます。

  • ソヴリン / pp〜fが得意 / ペダル音域でのタンギングが得意
  • プレスティージュ / mp〜ffが得意 / 高音域でも豊かな響きが得意

一人一人、好みがあると思いますが、改めて上記の情報を意識して試奏されることで、楽器本体の良さが引き出される思います!

 

 

マウスピース シルキー51、51D 比較記事

前回好評だったマウスピース比較記事第2弾。

今回は日本での愛用者の多いシルキー編。

 ウイルソンとの相性抜群なシルキー、楽器店で勧められるままに51Dを選んでいませんか?

今回、アメリカのマウスピース工房のイラストから他のモデルとの違いを確認したので参考にして下さい。

シルキー51

シルキー51

シルキー51のスペックと特徴

  • 51D 内径25.55mm
  • 51 内径25.63mm

同じ品番にも関わらず、内径が異なります。

ご覧の通り、51(青線)はバックの5G(緑線)にほぼ同形状。

51D(黒線)のカップはかなり深くえぐられ容量が大きいです。

※バックで比較すると2G位の深さ

 

 

 
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こんな方におすすめ

カップ容量を基準にする

51Dは大きいと感じる方(高音域ならハイDが出ない)

 5Gは大きい(深い)けど、5GSだと窮屈な人、51を試してみては如何でしょう? 

 

リム形状を基準にする

バック5G(GS)の口当たりが苦手な方は、シルキーの51を試しては如何でしょう?

またバックとシルキーはシャンクの長さが違うので、ユーフォのメーカーによって音程のバランスが変化するでしょう。

 


 

予算的に難しい方へ、ヤマハの51はシルキーの51にかなり近く、

リムもアジアの骨格にアジャストされたモデルで、お試しとしておすすめします。

 

画像引用

https://wedgemouthpiece.com/

 

過去の比較記事

artysm.hatenablog.jp

 

良い先輩、いらない先輩

初心者への接し方

新入生、特に初めて楽器に触れる人にとって、金管楽器はなかなかハードルの高い楽器です、ついつい親切に教えがちになりますが、なんと放っておいても良いみたいな研究があります。

 

実験
・具体的な声かけ(技術論)をしたグループ

・ただ励ます(見守る)グループ

より成長したのはどちらのグループでしょう?

 

結果

ただ励ます(静かに見守る)グループが僅かに成長具合が良かったそうです。

(少なくとも悪い指導ではない)

これは声かけの内容で実験した有名な文献があり、

コーチやトレーナーになる際に触れる機会が多いです。

この実験、実は、劇的に成長した3つ目のグループがあります。

そのグループへは結果にコミットした内容でした。

この結果を上手く利用して、新入生、初心者を上手く育て、バンドのレベルupを目指しましょう。

今回は具体的に指示しよう。/ここは結果にコミットしよう。

と大まかに2つに分けて紹介します。

具体的な指示(先輩、先生が積極的に教えるべき)

  • 楽器の運指や構え方。
  • 譜面(特にリズムの動き)
  • 楽器のメンテナンス
  • 呼吸時の身体の拡張

(楽器を演奏する前段階)

artysm.hatenablog.jp

artysm.hatenablog.jp

 

結果面への指示(演奏後に問いかける)

  • よく響いているか?(楽器、床、照明など共鳴)
  • 音と音の繋がりは?(音量のムラ、滑らかさ?)
  • フレーズの表現?(大きくなった/小さくなった)
  • 他のパートはどんな音/動きか?

(楽器演奏後/中のフィードバック)

 

この結果への指示をより効果的にするのは、

身近に良いお手本があるか?(一つの基準点)

先輩や先生でも良いし、プロのCDでも良いでしょう。

高音質(大音量)で聴くというより全身で音を浴びる経験が必要です。決して難しいパッセージでなく、短いけど魅力的だったり、その楽器の特徴が感じられれば充分です。

 

最後に悪い声かけ
  • 肩を上げない
  • 唇/マウスピースを動かさない
  • 音を揺らさない

★これらのように否定系、指示されても、特に解決案でない場合。

 

 

 

 

金管奏者おすすめ書籍3点

近年、楽譜以上に充実される書籍や翻訳について、これは!と思うものをセレクトしました。
レッスンが受けられないけど上達したい方、また、購入前の参考にご利用下さい。

1.バジル先生3部作

まずご紹介するのはアレクサンダーテクニーク教師として活躍中のバジル先生著ココロとカラダの相談室、楽器演奏編(バジル先生3部作より)※2017.2月より改訂版発売です。



バジル氏の講座内での写真や解剖図のイラストをふんだんに使用し、奏者が陥りやすい注意点とその予防エクササイズが含まれる。

特に呼吸編では無理なく吸うポイントを簡単にまとめてあり、後半のパート別アドバイスは特徴的で、アレクサンダーテクニーク的視点から、身体の痛みを減らすエクササイズも入っている。
管楽器全て対象です、特に金管は応用が効くので楽団、学校で購入するとお得感が増す。

★初心者から上級者まで応用の利く一冊、またアレクサンダーテクニークに興味がある人への入門編としてお薦めの1冊。

ご購入リンク

 

2. 異端だけど売れている本

あのベルリンフィルで活躍するホルン奏者F. マクウィリアムス氏が感じた以下の項目</p>(吹奏楽あるある)

  • マウスピースを押し付けてはいけない
  • 息を吸う時に肩をあげてはいけない
  • 喉は常に広げておかなければいけない
  • 息を止めてはいけない
  • アンブシュアを途中で変えない

以上5つの指導あるある!

を科学的見地から解消する実践編(後半)と、なぜこんな過ち(勘違い)が野放しにされたか?教師と生徒の理想な関係等、対人間関係をクローズアップした前半に大きく分かれる。
 実践編でのブレス編では後述するトランペットの藤井完先生のメソッドでも説明のあるいわゆる【支え】についての説明が非常に明瞭である。</p>
この書では、空気を動かす/圧縮する(ミード先生もレッスンで良く使う)動きに際しての空気の流れとフレーズの関連性の大切さが述べられている。
この空気の支えをサポートと呼び、お腹のどの辺りの筋肉をいつ、どのように意識するのか具体的に書かれている。</p>
又、指導者向けの前半部ではウォーミングアップの間違い! 教師は不必要!等ドキッ とする発言が含まれている。</p>

 

★2〜3年以上の中級者(特に伸び悩みの人向け)にお薦め

購入リンク↓

 

3.おなじみの朝練

朝練 トランペット

3つめは書籍というよりもはやメソッド。

おなじみの朝練シリーズよりトランペット編。またユーフォじゃないのか、と言われそうですが、金管の練習する内容は5、6年もすればどの楽器も共通の事をするので気にせずに。
著者、藤井完(ゆたか)先生は、私の恩師でもあり、楽譜よりも見開きページの左ページの説明書きが重要だが、全くの初心者にはレッスンを受けないとピンとこないであろう。
例えば音階編では裏階段?低音で寄せる?オープンスロート?等専門の講師でも説明のつきにくいワードが出てくるが、これらは先生が長年の指導で蓄積された結果の伴う言葉なのです。これらのワードが辞書のように丁寧に説明される。実際F. マクウィリアムス氏の内容と共有出来る場合が非常に多い。
(この本は1980年代にすでにプロトタイプがある)

例として、10人の初心者が成長する中で、5人以上はこの意識で上手くいくよね、的に、普遍的、最大公約数な動きを示します。 全員がこのままハマるわけではないので、その時は心配せず、他のメソッド(逆のことを記している)を参考にしてみましょう。

 おすすめは前半の呼吸法とタンギングのコーナー、カルーソーのメソッドのようなノータンギングで息の流れと音の当たりを実感するエクササイズはとても大切な要素。<

 

★中級者から上級者(音色とアタックに悩む人はお試しあれ)</p>

こちらは呼吸の際の身体の仕組みの解説 ↓

 

【プライベートレッスン受付中】

ハイトーンやスタミナにお困りの方へ、曜日、時間等ご相談下さい。

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