2024、ユーフォ誕生180周年!アニバーサリーイヤー。
現在のユーフォニアムの型を作った名門ベッソン。今回は、現行の2機種のプロラインの違いを具体的に解説しました。是非ご購入前の参考に活用下さい。
1. リードパイプについて
外観上、最も大きな違いはリードパイプの角度です。
この2機種、角度の他、リードパイプの形状も大きく異なります。
- ソヴリンは90年代にアップデートされた967を踏襲した大きなカーブ形状。
- プレスティージュは上写真にあるように角度の変更とともに、なだらかなカーブ。
左のソヴリンの角度が立っているのに対し、右のプレスティージュはテーブルに対し平行に近い角度です。
2つのモデルを試し、より吹きやすい方があれば、マウスピースから唇の圧力が自然に良いバランスでかかっている状態と思われます。
マウスピースが唇に触れる際、多くの人が左右均等な圧ではありません。
また構えた際、右半身の懐にゆとりが多いのがプレスティージュ、
ソヴリンはより身体にフィット(密着)しやすい形状です。
2. 補強版について
次に目立つ特徴の違いは2番管(U字管の先)の補強版の形状。
プレスティージュは伝統的な2層タイプ。青線が示す、幅広のプロテクターにより管体のガードに加え、かなりの重み(質量)が増します。
現行のソヴリンは黄線のように約5mm幅の1本のシンプルなプロテクターとなっています。
ケースの性能向上、取扱い方も丁寧になっているので凹み防止としての機能は十分で、
軽量化を実現すると同時に、より伸びやかな響き(遠達性)が特徴です。
その他、細かい仕様の違いはバルブ周りのトップボタン(指の触れる所)/ケーシングキャップ(ピストンの上の蓋)の形状。
プレスティージュはケーシングキャップがミディアムとヘビーの2種類ですが、
ソヴリンでは、ヘビーのみ。
トップボタンも2機種で色だけでなく、形状も異なります。
表現について
リードパイプの角度の違いに触れましたが、他にも長さの違いがあります。
- ソヴリン/長め 主管/短め
- プレスティージュ/短め 主管/長め
このバランスの違いにより、
- ソヴリン/より低音域が安定
- プレスティージュ/より高音域が安定
最も気になる聴いた時の違いについて。音量と音域の要素で比較してみます。
- ソヴリン / ppp〜fが得意 / ペダル音域での発音が得意、響きのまとまり(フォーカス)を作りやすい。
- プレスティージュ / mp〜fffが得意 / 高音域まで豊かな響きが得意
上記の情報を意識して試奏されることで、楽器本体の良さが引き出される思います!